介護苦

介護苦の事件を知るたびに、
胸がえぐられるような痛みを感じる。


ギリギリだった頃を思い出す。
怖くて仕方なかった日々。
誰かがいつか一線を越えるんじゃないかって。


でも、いなくなると寂しくて。ほっとするかと思ったけど、ほっとなんて全くしなかった。心に穴が空いたように、なんであんなに頑張ったのに死んじゃったのって思ってた。

やりすぎたんだと思う。
今もし誰かに介護の相談を受けたら、他人を頼って、って答える。身内が介護しちゃダメな気がする。身内しかできないことなんだけど、身内がするとダメなことだった気がする。どこかで手を抜いて、どこかで客観的な立場でいることで最後まで全員が幸せでいられる。

だって亡くなってもう10年以上経つのに、まだあれで良かったんだろうかって思ってる自分がいるから。もっと何かできたんじゃないか。あれが食べたいって言ってたのに。これがしたいって言ってたのに。って。

やりすぎたんだと思う。